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過去最多48万人以上が来館!閉館寸前から一転大盛況 ー“人を呼び込む”アイデア量産の秘訣ー  担当者の「お小遣い制度」って? 蒲郡市・竹島水族館

2025年5月2日 20:14
過去最多48万人以上が来館!閉館寸前から一転大盛況 ー“人を呼び込む”アイデア量産の秘訣ー  担当者の「お小遣い制度」って? 蒲郡市・竹島水族館
愛知県蒲郡市にある『竹島水族館』が、過去最高となる年間入館者数を達成しました。閉館寸前から一転大盛況、人を呼び込み続けるアイデアはどのように生まれてきたのでしょうか。

水族館スタッフを支える“地域の応援”

愛知県蒲郡市にある『竹島水族館』の令和6年度年間入館者数が、過去最高値となる48万2,184人を記録しました。

なぜ、竹島水族館は人々の興味を惹きつけ、高い集客力をキープすることができたのでしょうか。

『竹島水族館』の小林龍二館長は、過去最高値達成の理由について、昨年10月に実施したリニューアルを挙げます。

「コロナ禍が明けたタイミングをみてリニューアルを行い、展示を充実させるとともに、地元の名産である深海魚の展示をより濃くしました。リニューアルに関しては、当館の思いや取り組みに目をつけ、共感してくれた商工会議所の後押しが大きく関与しています」と振り返ります。

続けて挙げたのが、同館スタッフのパワー。「若く、やる気のあるスタッフたちが揃い、行動力や創造力、即断力に富んでいる。そして、その力を支えてくれる地域の応援、協力してくださる漁師の皆さんがいること」と地域との連携を明かしました。

一時は閉館危機に陥った『竹島水族館』。昭和53年度より記録された同館の入館者数データによると、最も低い入館者数だったのは、平成17年度の123,364名。しかし、平成23年度より上昇傾向へ。平成30年度には、当時の過去最高値475,205人を記録しました。

ライバルは人気動物!? “スタッフの顔”が見える水族館へ

閉館寸前の水族館が成し遂げた“V字回復”。なかでも高い注目が集まったのが、ユニークな仕掛けや斬新な取り組みです。深海魚の展示や充実の解説POP、ウツボなど特色ある展示はSNSでも話題となりました。

アイデアを考えるコツについて、小林館長は「他の水族館にはないものを特色とする。ほかの良い水族館、大きな水族館と比較して考えず、竹島水族館だからこそできて、大きな水族館ではできないことを考えようという考えをスタッフと共有しました」と話します。

同館では、“自分たちで考えて仕事をし、そこで得たものを自分の力にしましょう”という体制から、「お小遣い制度」を実施。年度のはじめに各担当が“お小遣い”をもらい、その予算内で自由に1年間展示を組み立てるという制度です。

また、スタッフの顔が見えるアットホームな水族館づくりを目指し、スタッフも“展示物”とする斬新な取り組みも実施。シャチやラッコ、セイウチ等の人気動物とスタッフたちを対抗させるという仕掛けには、より高い効果と強い手応えを感じたといいます。

効果を感じなかった取り組み等はなく、小林館長は「いつもやりながら修正したり、工夫をして成功にもっていくので、効果を感じなかったということはあまりないですね」と振り返りました。

スタッフたちのバラエティに富んだ発想と行動力、その力を支える地域との連携によって、過去最高の年間入館者数を達成した『竹島水族館』。近年では、他水族館や施設、他種の中小企業等からアドバイスを求められることも増えたといいます。

今後の展望について小林館長は、「展示生物やスタッフとの交流を基に、より来館者が笑顔に、幸せになれる水族館づくりを目指したいです。地域に貢献し、蒲郡市自体を盛り上げる一つの要因になれたらと思います」と語りました。

最終更新日:2025年5月2日 20:14
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